2006.09.21
イリオモテコロモクモタケ(Torrubiella ryukyuensis)とツノダシムシヒキアブタケ
(リョウガミクモタケから名称変更 冬虫夏草生態図鑑による 2014.06.27)
福岡県在住のF田さんから、虫草が届いた。プラスティック4箱の中には、それぞれ、子嚢果が付いたリョウガミクモタケ1体と未熟体1体、ツノダシムシヒキアブ6体、ハナサナギタケ1体が入っていた。
リョウガミクモタケは虫草祭の時にも送ってもらったものだが、その時はヤブツバキに付いていたが今回のはシダの仲間に付いている。(採取場所は山口県萩市)
クモが葉っぱの中に居り、菌座が葉を突き抜けて成長しているように見える。しかし、葉を広げるとシダの小葉の間を抜けて、葉の上に成長したというのが当たっているようだ。
2次胞子を確認すると、5-7 ×1.5-2 μm。清水図鑑だと 4-5×1.5-2μmと記載がある。誤差範囲だろうか。
次は、ムシヒキアブ。(採取場所 佐賀県佐賀市)見たとおり不完全体であり子嚢果は無い。
では、何に繋がるのか「昆虫病原菌の検索」を頼りに子実体を検鏡してみた。
フィアライドを見る。最初はHirsutella属かなと思ったが、先端の小さな突起はHymenostilbe属の特徴らしい。
この属は、種によって対応する完全世代が明らかにされているそうだ。その検索をしていたら京都のO竹さんから、Hymenostilbe dipterigena にそっくりだとの情報をもらった。この完全世代はハエヤドリタケ。採取場所に完全世代が出現する可能性が出てきた。
※忙しい中で、わざわざ虫草を送ってくれたF田さんに感謝します。有難うございました。
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