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2012.10.25

2012.10.25

マバライモムシタケ

香川県綾川町在住のD肥さんが、芋虫に発生した大きな虫草を発見したと情報が入った。
採取したものを見せて戴くと、大きな芋虫にサナギタケ状の子実体がニョキニョキついている。(D肥さん採取)
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これを見せて戴いて思い出したのは、1995年に香川薬草会の例会で発見したカエンタケに似たキノコ。その時はキノコと思っていたのだが、翌日、馬場先生が冬虫夏草かもしれないと、寄主の芋虫を掘り出し、冬虫夏草の会に同定を依頼、サヌキイモムシタケと仮称を戴いた虫草に似ていた。
発見した場所に案内して戴き、虫草仲間の探索で周辺で都合10体を確認することができた。サヌキイモムシタケの発見場所からは、西へ約2kmとほど近い場所だ。
Img_2658a

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Photo

環境は、沢沿いの雑木林の斜面、腐葉土が少なく砂混じり、ところどころに地表が現れている草地。
木々には、大きなフジのツルが垂れ下がっている。
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イモムシはトビイロスズメの幼虫らしい。
トビイロスズメはスズメガの仲間だが、一般的なスズメガは幼虫が土に潜ってすぐにサナギになるのに対して、トビイロスズメは土に入っても幼虫のまま越冬して翌年にサナギになるとう生態を持っているため感染しよいとのことだ。また食草にフジも含まれていることから、ほぼ間違いなさそうだ(来年に幼虫を確認したい)

子嚢果 ×100 1目盛り 10μm
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子嚢胞子 ×100 1目盛り 10μm
Dscn1145a

子嚢胞子は、128個の2次胞子に分割する。 ×400 1目盛り 2.5μm
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山形県のT田さんの検鏡によると、サナギタケとは少し違うとのことで、馬場先生のサヌキイモムシタケとも考えられるが詳細情報がないとのことで、香川県産で詳細記録が有るマダライモムシタケに落ち付いた。
サヌキイモムシタケについては、当時の標本が福島県のK津さんのところに残っているかもしれないとの情報が有り、今後の成り行きが気になる。


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